「引越しの見積もりを取る時期って何時ごろがいいのでしょうか?」
よくある質問なのですが、明確な見積もりを依頼するタイミングは、「引越し先の住所」「引越しの希望日」「引越し先に持っていく荷物」が決まった時です。
引越しの見積もりは、少なくとも「引越し先の住所」「引っ越しの希望日」「引越し先に持っていく荷物」の三つが決まっていないと料金の提示ができません。
引越しの見積もりを取る時に、引越し業者が「これでは見積もりの出しようがない」という事例をあげていきます。
引越し先の住所が決まっていないと引越しの見積もりは出せない
「あの地域で、今、不動産物件を探していますが、引越し料金はいくらですか?」
「月末にはここを出なければならないのですが、この近くに引っ越すとしたら、引越し料金はいくらですか?」
この質問に回答することは難しいです。
引越し先の住所が無い、もしくは引っ越し先が決まっていない引越しに対しては、見積もりの出しようがありません。
引越し料金を算出するのに大切な条件である移動距離がはっきりしていないので、見積もりの出しようがないのです。
引越し業者からすれば、そもそもこのユーザーは引っ越さないのではないかと疑ってしまいます。
引越し業者は訪問見積もりを依頼してくれたユーザーに見積もり記念品を用意して無料でプレゼントしています。
見積もり記念品で有名なのは大手引越し業者が見積もりの時にプレゼントしてくれるお米や洗剤詰め合わせなどがあります。
この引越し業者が持ってくる見積もり記念品をもらうために何度も引越しの見積もりを依頼してくるユーザーが実際にいました。
さらには、まだ引っ越し先が決まっていないユーザーの希望で、引っ越し先が決まるまで引越し業者が荷物を一時的に預かったら、実はその引越しは夜逃げで引越し業者は荷物を預かったまま荷物の持ち主であるユーザーと連絡が取れなくなった、なんてこともあるのです。
引越し先の建物の立地条件でも引越し料金は変わる
また、引越先の建物の立地条件でも引越し料金が変わります。
例えば、引越し先が4階だったらエレベーターの有無で引越しの料金が変わります。
引越し先がエレベーターのない4階以上のお部屋だった場合、エレベーターのある同じ階層への引越しよりも作業員を増やす必要があるからです。
エレベーター付きの建物だったら引越し作業員3人で引越し作業は完了しますが、エレベーターなしの建物の場合、引越し作業員は4人は欲しいところです。
引越し作業員を増員すれば、当然、引越し料金も上げなくてはなりません。
さらに、引越し先の道路状況でも引越し料金が変わります。
引越し先に隣接する道路が4トン車が入っていけない道幅であった場合、同じ4トン車一台分の荷物量の引越しでも、2トン車を2台用意することになり、4トン車一台で引越しするよりも料金が割高になります。
引越し先の道路状況によって2トントラックが新居の前まで入っていけない場合、別途、軽トラックを用意して2トントラックから新居までピストンすることもあります。
引越し業者に引越しの見積もりを依頼するときには、引越し先の住所がハッキリしている必要があるのです。
引越しの日にちが決まっていないと引越しの見積もりは出せない
「今月末あたりで」「3月の頭で」など、あまりにもアバウトな引越しの日程では、引越しの見積もりを出すことができません。
トラックを押さえてこそ引越しの見積もり
引越し業者が見積もりを出すということは、「見積もりが有効の間、トラックを押さえます」ということです。
見積もりが有効な期間、引越し業者はトラックを押さえた状態にしているのです。
その間、引越し業者は他の引越しの依頼が来ても断らなければなりません。
できれば、引っ越し予定日の第一希望、第二希望、第三希望くらいは決めてから、引越し業者に見積もりを依頼してください。
それも難しい、もしくは本当にいつでも良いというときは、最低でも「第○週の平日なのか、休日なのか」くらいは決めて引越し業者に見積もりを依頼してください。
確かに土日祝日より平日の方が、また、月末より月初の方が引越し料金が安くなる確率は高いのですが、平日は無理なのか、休みが取れるのかくらいはハッキリさせて引越しの日程を決めてください。
引越し先に持っていく物が決まっていないと引越しの見積もりは出せない
「引越しはするんですが、ほとんどの物を処分する予定です」「荷物の一部を人に譲る予定ですが、まだハッキリしてません」といった場合も引越しの見積もりを出すのが難しくなります。
荷物の総量が決まらないと引越しの見積もりは出せない
引越し当日に運び出す予定の物がハッキリ決まっていない場合、荷物の総量が決まらないので、見積もりを出すことが出来ません。
もし、無理やり見積もりを出せたとしても、無くなるはずだったものが、引っ越し当日まで残っていてトラックに積み切れず、追加料金が発生してしまうかもしれません。
積み残しを危惧した引越し業者が引っ越し当日、処分する予定のものが残っていてもちゃんと運べるように大き目のトラックを用意しなければならず、高めの見積もりになってしまうこともあるのです。
無くなるはずだったものが引っ越し当日まで残っていてトラックに乗り切らなかった荷物のことを「積み残し」といいます。
「積み残し」になってしまった荷物を運ぶのに、追加料金が発生する引越し業者もあれば、無料で運んでくれる引越し業者もあります。
これも訪問見積もりのときに確認しておきましょう。
引越し当日に処分する予定の物が残っていても運べるように、大き目のトラックでお宅へ着くと、ちゃんと物が無くなっていることもあります。
そうなると、全ての荷物を積み込んだトラックの荷台は、天井まで積み上がることなく余裕のある状態になります。
この荷物が天井まで積みあがらない状態を「てんぷら」といいます。
たとえ、「てんぷら」になったとしても、見積りのときに提示したトラックの大きさ、トラックの大きさに比例した作業人数を準備して、引っ越し当日に伺うのですから、引越し料金は変わりません。
物損事故で保障のためでもない限り、荷物が多少減ったくらいでは引越し料金は安くなったりしないのです。
運ぶものが決まっていない見積もりがいかに不確かなものかが解かります。
引越しの見積もりを取るタイミングはいつか
早く引っ越し料金を知りたい気持ちは解かりますが、
●引越し先の住所
●引っ越しの希望日
●引越し先にもっていくもの
が決まってから、引越し業者に連絡を入れましょう。
上記三つが決まってないうちは、引越しの見積もりを取るには時期尚早といえます。
引越し当日に追加料金が発生してしまうかもしれないような見積もりは、見積もりとは言えません。
具体的に引越し希望日の何日前に見積もりを取るとよいのか
遅くとも引越し希望日の2週間前には引越し業者から見積もりを取りましょう。
引越し希望日が近ければ近くなるほど引越し料金が高くなる傾向にあります。
引越し希望日が近いと他の引越し業者のトラックに空きがなくなることで、競合が少なくなることを想定した引越し業者が、強気で高めの引越し料金を提示してくるからです。
確かに引越し希望日まで一週間を切ると、ほとんどの引越し業者のトラックが埋まってしまうことがあります。
そうなると、引越しを請け負ってくれる引越し業者を探すのも大変になります。
また、引越しを請け負ってくれる引越し業者が一社見つかったとしても、相見積もりを取ることができなければ引越し業者の言い値で引越しを依頼することになってしまいます。
引越し料金は引越し業者が決めます。
複数の引越し業者から見積もりを取ったとしても、引越し料金を決めるのはそれぞれの引越し業者です。
ユーザーには引越し料金を上げ下げすることはできません。
引越しの見積もりにおいて、ユーザーができるのは引越し業者を決めることだけです。
でも、もし引越しを請け負える引越し業者が一社しかなかったら、もうその引越し業者の提示した引越し料金で引越しするしかありません。
繁忙期や月末の土日などにその引越しを請け負える引越し業者が一社しかない状態になったユーザーは、高い引越し料金で泣く泣く引越しするしかありません。
他の引越し業者も選べる状態で相見積もりが取れるのは、引越し希望日から起算して一週間前までです。
引越し業者を決めてから引越し当日までが荷造りができる期間
引越し希望日から起算して残り一週間を切ったタイミングで見積もりを依頼すると、ユーザーだけでは引越し当日までに荷造りが間に合わないと判断した引越し業者が梱包サービス付きの楽々パックやお任せパックといった荷造り付きの引越しサービスを勧めてきます。
もちろん梱包付きの引越しサービスは、基本の引越し料金よりもかなり割高になってしまいます。
また、引越し当日、引越し業者のトラックが到着したのに荷造りが完了していないと、引越し業者の作業員が荷造りすることになり、ダンボール一箱につきいくらという追加料金が発生します。
引越しの見積もりを取って引越し業者を決めてから引越し当日までが引越しの準備期間
引越し業者から見積もりを取り、引越しの打ち合わせができてダンボールをもらったら、いよいよ荷造りです。
この荷造り、引越しに慣れているユーザーならササっとできてしまうのですが、引越しに慣れていないユーザーの場合、とても時間がかかります。
引越し希望日から起算して2週間前に見積もりを取って引越し業者を決めれば荷造りの時間が充分に取れます。
引越しの準備期間中に土日の休みが2回あるとそれなりに余裕ができるはずです。
引越し業者も引越し希望日が近い見積もりでは、ユーザーがきちんと荷造りできるか気になるところです。
引越し当日、ユーザー宅にトラックを着けたら、全く荷造りができておらず引越しができないこともあるのです。
遅くとも2週間前までに引越しの見積もりを取るのは「荷造り」に余裕を持ってのぞむためでもあります。