引越しにおける午後便、フリー便の意味とは。
引越しの見積もりで出てくる用語です。
午後便
【ごごびん】
引越し当日の正午以降に作業が開始される引越しサービス。
引越し業者が所有する一台のトラックが、一日のうちに複数の引越しを順番にこなしていく配車方法によって発生する2件目以降の引越し物件のこと。
一台のトラックが一日でこなす複数の引越しのうち、午前中にこなせる引越し物件が1件のため、2件目以降の引越し物件を午後便と呼ぶ。
2便と呼ばれることもある。
また、実際は3便、4便であることも少なくない。
前に入っている引越し物件の作業終了時間が明確でないため、引越しの作業開始時間を指定できないことが多い。
午後フリー便。
引越し業者内で2便、3便と一日のうちに請け負う引越しサービスの順番で呼ぶこともあるが、ユーザーに対しては午後便、フリー便としている。
午後便の引越しは引越し作業にかかる時間が限られるので、引越し荷物の総量が4トントラック分以下で移動距離が短い引越しが対象となる。
午後便の引越しのメリット
朝一番、午前8時~9時に開始される1便の引越しと比べて午後便の引越しでは、引越し料金が格段に安くなります。
午後便の引越しは、朝一番から作業を開始する場合の引越し料金のおよそ半額になることもあります。
一台のトラックで一日のうちに複数の引越しを請け負う事ができると、トラック一台にかかる費用と共に行動する作業員にかかる費用を1件目の引越しですでに回収できていて、2件目の引越し以降は全て利益だといわれているくらい、引越し業者にとって極めて効率のよい配車方法になっています。
ユーザーには引越し料金を安くすることで還元している
午後便の引越しのメリットは引越し業者にだけあるわけではなく、ユーザーにも料金面で大きく還元されていることが多く、午後便の引越しであることの割引はかなり大きなものとなり、引越し作業の時間帯を気にしなければ格安の引越しを実現することができます。
午後便の引越しのデメリット
午後便の引越しは、作業開始時間を指定することができません。
一台のトラックが複数の引越しを一日でこなすことで発生する2件目以降の引越しが午後便の引越しですから、午前中に請け負っている引越しの時間がずれ込む事があれば、その分午後便の引越しの作業開始時間がずれ込むことになります。
一台のトラックが担当するすべての引越しが予定通りにいったとしても、午後便の引越しでは引越し作業の終了時間がかなり遅くなることがあります。
ましてや1件目の引越しにトラブルがあれば、午後便の引越しはトラックの到着が更に遅れることになります。
引越し終了時間が夜中になってしまうこともある
繁忙期や月末、週末などの引越しが重なる時期の午後便の引越しでは、トラックの到着が夕方以降になり、そこからの作業開始で午後便の引越し自体はスムーズに行ったとしても、引越しの終了時間が夜中になることも珍しくありません。
午後便の引越しは訪問見積もり時の打ち合わせ不足や、引越し業者とユーザーの認識の違いから、引越し当日のクレームやトラブルの原因にもなっています。
そのリスクと料金が割安な理由を把握した上で午後便の引越しを利用しましょう。
フリー便
【ふりーびん】
引越しの日にちだけが決まっていて、引越し作業の開始時間が決まっていない引越しサービスのこと。
午後便と違って、引越し作業開始時間が午後に制約されるわけではなく、朝一番、もしくは午前中に作業が開始される場合もある。
比較的荷物が少なく、移動距離が短い引越しに適用されることが多い。
引越しの作業時間を引越し業者に任せることによって、引越し料金が格安になる。
フリー便の引越しのメリット
フリー便の引越しの一番のメリットは引越し料金が安くなることです。
午後便と違ってフリー便の引越しでは引越し当日の引越し業者の配車状況によって、朝一番や午前中から引越し作業をスタートすることもあります。
例えば、午前中の引越しがキャンセルになって午前の時間が空いた場合、午後便で受けている引越しよりもフリー便で受けている引越しを先にこなします。
これは午後便の引越しユーザーは純粋に午後の引越し作業を希望しているかもしれないのに対して、フリー便の引越しユーザーは丸一日を引越しに使える体制をとってもらっているからです。
朝一番から引越し作業を始めることもある
通常、朝一番から作業を開始する引越しは割高であることが多いのですが、フリー便の引越しでは朝一番に引越し作業を開始することになっても、フリー便の引越しにすることによって安くなった料金のままで引越しすることができます。
引越し業者からすれば、フリー便の引越し物件は一日のスケジュールのうち、どこに組み込むかを引越し当日に決めることができるので、一日の作業効率を上げる材料になります。
フリー便の引越しは荷物が少なく移動距離が短いユーザーに適用されることが多く、その場合、全工程が3時間程度の引越しであるため、予定より早く終り次の引越し物件までに余裕ができた場合にこなすことができる引越し物件となります。
また、複数台ある引越し業者のトラックの中で、フリー便の引越しを担当するトラックを当日まで決めず、その日の引越し作業の進み具合で空いたトラックを向かわせるというような形をとることも少なくありません。
フリー便の引越しのデメリット
フリー便の引越しでは、引越し前日には荷造りが完了していなければなりません。
例えば、午後便の場合、正午以降にしかトラックは来ませんから、引越し当日の午前中まで荷造りする時間があります。
トラックの到着が早くなりますという連絡があったとしても、午前中は荷造りが完了していなくて当然ということになりますから、へんに急かされることはありません。
フリー便の引越しでは引越し前日までに荷造りが完了していなければならない
対して、フリー便の引越しの場合、朝一番にトラックが来る可能性がありますから、荷造りは引越し当日の朝までに完了している必要があります。
また、フリー便の引越しでは、引越し当日、ユーザーはいつトラックが来てもいいように家で待機していなければなりません。
引越し当日は長く家をあけることができない
トラックの到着が早ければよいのですが、どんなに遅い時間になったとしてもトラックの到着まで、ユーザーは長く家をあけることはできません。
朝から待ち続けたトラックの到着が夜になることも珍しいことではありません。
その場合、ユーザーは引越しにかかった時間が丸一日に感じることになります。
全行程が3時間程度の引越しでもフリー便での引越しを申し込んだユーザーは丸一日、家で待機し続けることなどザラにあるのです。
まとめ
午後便とは引越し当日の正午以降に作業が開始される引越しサービスのことです。
午後便のメリットは朝一番、午前8時~9時に開始される1便の引越しと比べて引越し料金が格段に安くなることです。
午後便のデメリットは作業開始時間を指定することができないことで、午後便の引越しでは作業開始時間が遅れると作業終了時間が夜中になることも珍しくありません。
フリー便の引越しとは引越し日だけが決まっていて、引越し作業の開始時間が決まっていない引越しサービスのことです。
フリー便の引越しの一番のメリットは引越し料金が安くなることです。
フリー便の引越しのデメリットは越し当日、ユーザーはいつトラックが来てもいいように家で待機していなければならないことです。