2箇所積み、2箇所降ろしとは
引越しの見積もりで出てくる用語です。
2箇所積み
【にかしょづみ】
2カ所積み、2ヶ所積み。
1件の引越し案件において、二つの別々の場所で荷物を積み込む引越しのこと。
引越しの荷物のうち、一つでも違う場所でトラックに積み込むことがあれば、2箇所積みの引越しになる。
2箇所積みの引越しで、2つある積み地のうち、片方の積み地にある荷物が極端に少ない場合、立ち寄りともいう。
2箇所積みの引越しでも一つの場所に荷物を降ろすとは限らない。
結婚や同居する引越しに多い。
一般的に3ヶ所以上の場所で荷物を積み込む引越しは少ない。
2ヶ所積みが発生する引越しとは
結婚や同居のため新しい住所にパートナーそれぞれの住所から引っ越しする場合
結婚や同居する際にパートナーそれぞれの現住所とは別の新しい住所が新居となる場合、2件の引越しが発生することになります。
この2件の引越しをまとめて同じ日に行おうと、一社の引越し業者に依頼すると2ヶ所積みの引越しになります。
建て替えやリフォームで仮住まいとトランクルームに荷物を預けた場合の引越し
リフォームや建て替えで仮住まいへの引越しが必要になったが、全ての荷物は仮住まいに入らず、荷物の一部をトランクルームなどに預け、引越し荷物の一時預かりサービスを利用したとします。
リフォームや建て替えが完了して仮住まいから戻る引越しで、預けていたトランクルームの荷物を同じ日に新居に搬入したいという場合、2ヶ所積みの引越しになります。
引越しを期に友人から家具を譲り受けるので、引越し当日、引越し業者に立ち寄りをお願いした場合も2ヶ所積みの引越しになります。
引越し業者は2ヶ所の積み地と新居の位置関係と、それぞれの積み地にある引越し荷物の量によって引越し方を組み立てていきます。
2箇所積みの引越し方法とは
1台のトラックで2箇所積みをする引越し
2箇所にある荷物の総量が載る大きさのトラックを用意して、最初に荷物を積み込んだ場所から新居に向かう途中で、もう一箇所に立ち寄り荷物を積み込むパターンの引越しです。
1台のトラックで2ヶ所積みをする引越しのメリットとして、引越し料金を安く抑えることが挙げられます。
立ち寄り程度なら料金がかからないこともある
2箇所積みの引越しでも、積み地の片方の荷物が極端に少ない引越しなら、2箇所積みによる追加料金がほとんどかからないことがあります。
例えば、引越しの荷物のほとんどを旧居で積み込み、もう一か所で箪笥を一棹積み込むといった引越しで、2箇所目の積み地が旧居と新居の間にあり、引越しのトラックに大きなルート変更の必要もない場合には、2箇所積みの追加料金はほとんどかかりません。
1台のトラックで2箇所積みをすると引越し料金は安くなる
2箇所積みの引越しでも、積み地の片方の荷物が極端に少ない引越しのことを立ち寄りと呼びます。
2箇所の積み地に引越しの荷物が分散していて、どちらの積み地にもそれなりに荷物があるような2箇所積みの引越しの場合でも、1台のトラックで引越しをする方が、2台のトラックで引越しするよりも引越し料金が安くなります。
1台のトラックで2箇所積みの引越しをすると、携わる作業員の数が少なくて済むからです。
1台のトラックで2箇所積みをすると時間がかかる
2箇所どちらの積み地にもそれなりに荷物がある2箇所積みの引越しを1台のトラックで行うと、引越しに時間がかかります。
どちらの積み地でも建物の養生が必要になりますし、どちらの積み地でも資材の片づけが発生するからです。
どちらの積み地にもそれなりに荷物があるようなら、トラックを2台用意した方が引越しが断然早く終わります。
引越しの見積もりでは2箇所積みの条件が見積書にどのように書かれているか確認しておきましょう。
2台のトラックで2箇所積みをする引越し
2台のトラックがそれぞれ別の積み地で引越しの荷物を積み込み、新居で合流して荷物を搬入するパターンの引越しです。
特徴として引越しの見積もり料金が高めになることと、引越しの時間が短縮されることがあげられます。
荷物の総量が多い場合や2箇所の積み地それぞれの荷物が1.5トントラック分を超える場合に使う配車方法です。
2箇所の積地のどちらも1.5トン車分以上の荷物がある場合、トラックを2台用意することが多い
2箇所積みの引越しで2箇所の荷物の総量が4トントラック分を超えると、引越しに使うトラックは2台必要になります。
ほとんどの引越し業者は4トントラックまでしか用意がないため、荷物が4トントラック分を超えると、必然的にトラックは2台必要になります。
荷物の総量が4トントラック分を超えるような引越しで2箇所積みが必要な場合、トラックを2ヶ所の積み地に一台ずつ向かわせる配車方法を使えば、かなりの時間短縮になります。
2台のトラックで2箇所積みの引越しをすると早く終る
2箇所の積み地のどちらの荷物も1.5トントラック分を超えていると、それぞれの積み地に1台ずつ向かわせる傾向ににあります。
1.5トントラック分の荷物があれば、荷物を積み込むのにそれなりに時間がかかるためです。
降ろし地では2台のトラックが合流して作業しますから、作業員の数は倍になり搬入作業が早く終わります。
通常、片方のトラックが荷物を降ろしたからといって、降ろし地を離れるようなことはなく、2台のトラックは全ての荷物の搬入作業が終了するまで降ろし作業を行います。
2箇所積みの引越しの見積もりで注意したいこと
2箇所積みの引越しの見積もりでは、2箇所の住所を引越し業者が把握している必要がある
引越し料金を計算する時にも必要なことなのですが、重要なのは2箇所積みをすることによって、引越し当日のスケジュールの組み立て方が大きく変わる点にあります。
それぞれの住所で積み込む荷物の量と、移動距離によって引越しに使用するトラックが変わる可能性があるのです。
また、それぞれの住所の道路状況も使用するトラックを決める重要な要素です。
2箇所積みの希望は早めに申し出る
2箇所積みを希望する場合、解っているならば訪問見積もりの時に申告してください。
遅くとも引越しの数日前には引越し業者に知らせておかないと、引越しに使用する予定のトラック、作業人数では2箇所積みに対応できない可能性があります。
やむを得ず2箇所積みを引越し当日に希望することになった場合、荷物を積み込む前に作業員に申し出てください。
2箇所積みの引越しでは、荷物を積み込む順番が通常の引越しとは違ってきます。
2箇所降ろし
【にかしょおろし】
- 2カ所降ろし、2ヶ所降ろし。
- 引越しの際、旧居でトラックに積み込んだ荷物の一部を新居以外の場所で降ろすこと。
- 荷物を降ろす2箇所の片方の荷物が極端に少ない場合、立ち寄りと呼ぶことがある。
- 2箇所降ろしをするためにはトラックの荷台に荷物を積み込む順番を変えなければならない。
2箇所降ろしの引越しでは荷物をトラックに積み込む際の順番が変わる
通常の1箇所で荷物を降ろす引越しでは、引越しの荷物の中で、まず、ダンボール箱からトラックに積み込みます。
ダンボール箱をすべて積み込んだら、今度は家具、家電を専用の梱包資材で梱包しながらトラックに積み込みます。
ですから、基本的に引越しのトラックは荷台の前の方がダンボール箱、荷台の後の方に家具、家電を積んだ状態で移動します。
これに対して2箇所降ろしの引越しでは、最初に立ち寄る場所で降ろす荷物は全てトラックの荷台の最後部に積んでいる必要があります。
これは最初に立ち寄る場所で降ろす予定の荷物をトラックの荷台の前方に積んでしまうと、最初に立ち寄った場所で取り出せないのでトラックから降ろすことができないからです。
2箇所降ろしがある引越しでは最初に降ろす場所の荷物がトラックの荷台の後部になければならない
2箇所降ろしの引越しでは、まず、最終目的地である2箇所目で降ろす荷物を最初に積み込んでしまい、次に、最初に立ち寄る場所で降ろす荷物を積み込まなければなりません。
最初に立ち寄る場所で降ろす荷物が家具1点だけというような場合は、その家具だけを最後に積み込みます。
ですから、2箇所降ろしの引越しでは、引越し作業を始める前に2箇所の内のどちらで降ろす荷物なのかを引越し業者に明確に伝えておく必要があります。
また、2箇所降ろしの引越しでは、荷物を積み込んでしまった後では、荷物を降ろす場所を変更することが難しくなります。
2箇所降ろしの引越しでは荷造りの際、荷物を詰めたダンボール箱に行く先、降ろす先を明確に記さなければならない
引越しの荷造りで小物をダンボール箱に詰めたら、引越し先の新居でどの部屋に置いてほしいかダンボール箱に記入しておきます。
例えば、キッチンの物を詰めたダンボール箱は新居でもキッチンに積み上げてほしいので、ダンボール箱にはキッチンと記入します。
同じように洋室、和室、リビングなど、新居での行先をダンボール箱に記入します。
これが2箇所降ろしの引越しになると、最初に立ち寄る場所で降ろす荷物の降ろし忘れがないよう、降ろす場所をさらに明確にしておく必要があります。
降ろす場所がわかりやすいようダンボールに記入するマジックやガムテープの色を変える
ダンボール箱に記入するマジックペンの色を2箇所の降ろし先で変えて、引越し業者の作業員に降ろす場所がどこなのか分かりやすくしてあげる工夫が必要です。
また、ダンボールを閉じるガムテープの色を2箇所の降ろし先で変えて、一目で降ろす場所が引越し作業員にわかるようにするのも有効です。
家具、家電を知人に譲るために2箇所降ろしの引越し
新居で新しい家具に買い替えて今ある家具を知人に譲る場合や、新居に入らない家具を知人に譲るなどの理由で2箇所降ろしが発生します。
この場合の2箇所降ろしは、立ち寄る場所で降ろす荷物が1点であることが多く、積み込みの際の順番などもさほど気を使わなくて済みます。
ユーザーが荷造りする際にも特に気にすることはありません。
引越し料金の面でも立ち寄る場所が旧居と新居の間にあり、トラックが大きくルート変更しなくてもよい場合、2箇所降ろしによる追加料金を請求されないことがあります。
立ち寄る場所が旧居、新居から離れた場所であった場合、2箇所降ろしの追加料金が発生します。
2箇所降ろしの追加料金は立ち寄って荷物を降ろす場所と新居または旧居までの距離で追加料金の金額が変わります。
住居のリフォームのための引越しで仮住まいとトランクルームへの2箇所降ろしが必要になる場合
住居をリフォームするために仮住まいに引越す際、仮住まいでは使わない荷物をトランクルームなどを借りて一時預けておく場合、2箇所降ろしの引越しになります。
仮住まいとトランクルームへ2箇所降ろしするような引越しでは、荷物の形態が同じダンボール箱でも、降ろす先が2つに分かれることになります。
引越し当日、引越し作業員の荷物の仕分けが煩雑になるため、降ろす先を明確にしておく必要があります。
荷造りの際、ダンボールに記入するマジックペンの色を降ろす先ごとに変えるとか、ダンボールを閉じるガムテープの色を降ろす先で変えるなど、降ろす先を明確にして降ろし忘れを防ぐ必要があります。
2箇所のそれぞれの降ろし先で、引越し業者からユーザーに荷物の確認を求められます。
ユーザー自身が荷物を確認する際にも、ダンボールに記したマジックペンの色や閉じてあるガムテープの色が違えば一目瞭然です。
荷物が多い引越しの場合、一度に全ての荷物を積まずトランクルームに行く荷物だけを積み込んでトランクルームに一度降ろしに行くこともあります。
その場合、荷物を積み込む時点で行く先ごとに荷物を選別する必要があります。
梱包した荷物に行先ごとに違う特徴を持たせておくと選別しながら積み込むことが容易になりますので、積み残しが出にくくなります。
離婚や別居の為の引越しに2箇所降ろしはあまりない
離婚や別居などで引越しが発生する場合、確かに積み地は一つで降ろし地が2箇所と2箇所降ろしの引越しに該当しそうなのですが、実際には2箇所降ろしの引越しになることはほとんどありません。
引越しをする時点で同居していた二人の関係は破綻していますから、引越しの日も違えば、引越し業者も違い、それぞれの引越しが計2回行われるだけです。
離婚や別居のための引越しの場合、自分が依頼した引越し業者に相手の荷物をついでに運んでもらおうという思いやりを持てる関係性ではなくなっているようです。
引越しの日に相手にさよならを言うことはないようです。
混載便も2箇所以上の複数箇所降ろしの引越しに入る
ユーザーには直接関係ありませんが、引越し業者が提供している混載便も複数個所降ろしの輸送方法になります。
混載便では行く先が同じ方面の複数の引越し物件を一台のトラックに積み込んで運ぶのですが、2箇所降ろしに引越しと同じように、降ろす順番通りに荷物を積んでいる必要があります。
例えば、九州で複数件の引越しの荷物を積んで関東方面に走る混載便で、途中、大阪で一件降ろして、名古屋で一件降ろして、それから神奈川で複数件降ろすという場合、大阪で降ろす引越しの荷物が荷台の一番手前に積んでいなければなりません。
大阪までの引越し物件の荷物を降ろして引越し先に搬入して荷台に少しスペースができたら、トラックの荷台の一番手前には名古屋までの引越し物件の荷物が積み込まれているはずです。
2箇所降ろしの引越しに限らず、引越し業者がトラックに荷物を積み込むときには、降ろす順番で積み込む順番が決まるのです。
立ち寄りとは
引越しの見積もりで使われる用語です。
立ち寄り
目的地へ行く途中で、ついでに他の所を訪ねること
引越しにおける立ち寄りとは
いわゆる2ヶ所積みの引越しと、2ヶ所降ろしの引越しのことです。
2ヶ所積み、2ヶ所降ろしの引越しの中でも、それぞれの場所で荷物の積み込み作業、降ろし作業を一台のトラックで行うことを立ち寄りと呼びます。
引越し荷物の一部が旧居とは別の場所にあり、新居に向かう途中で立ち寄って荷物を積むと立ち寄りの引越しになります。
また、引越しの荷物の一部を新居とは別の場所に降ろす場合も立ち寄りの引越しになります。
立ち寄りが発生する引越しとは
立ち寄りで積み下ろしする家財が一点程度の引越し
- 引越しを期に家具、家電を友人に譲る
- 引越しを期に家具、家電を友人からもらい受ける
- 実家に置いてる家具を引き取る
立ち寄る場所が旧居から新居に向かうルート上にあってトラックが大きくルートを変える必要がなく、家具、家電を一点積み込む程度なら追加料金を取らない引越し業者が多いです。
立ち寄りたい場所が旧居と新居から離れている場合、追加料金が発生するか、立ち寄れないと引越し業者が判断することがあります。
立ち寄りが可能なのか、また、立ち寄りによって追加料金が発生するかは訪問見積もりの時に確認しておきましょう。
立ち寄る場所で積み降ろしする引越し荷物がそこそこ量がある引越し
- 家をリフォームするので仮住まいに引越しするが一部の荷物をトランクルームに預ける
- 家のリフォームが終わったので仮住まいから新居に戻る引越しでトランクルームに預けた荷物も引き取って一度に新居に搬入したい
- 仮住まいの間、仮済みに入りきらない荷物を実家の空いたスペースに置いていた引越し荷物も一緒に新居に搬入したい
引越し荷物の一時預かりを利用する際に2ヶ所積み、2ヶ所降ろしの引越しを1台のトラックで行うと立ち寄りになります。
このくらいの規模になると、立ち寄りによる追加料金が発生します。
立ち寄りの追加料金というよりは2ヶ所積み、2ヶ所降ろしの引越しの見積もりという意味合いが強くなり、ちょっと立ち寄るという概念ではなくなります。
立ち寄りの引越しの見積もりとは
それぞれ積み地、降ろし地の建物と面する道路の状況が許すのであれば、引越し荷物の総量を積み込むことができる大きさのトラック1台で引っ越し作業に当たる方が、2台のトラックを使うよりも引越し料金は安くなります。
立ち寄って積み降ろしする物が家具、家電一点で、旧居か新居に近い場合、訪問見積もりでの引越し業者と交渉すれば追加料金が発生せずサービスになる可能性があります。
まとめ
引越しで2箇所積み、2箇所降ろしといった立ち寄りを希望する場合、見積もりの時に申告していないと引越し当日に申し出たのでは引越し業者が対応できないことがあります。
2箇所積み、2箇所降ろしといった立ち寄りが必要な引っ越しでは、荷物をトラックに積み込む際に降ろし方を考慮した順番で積み込まなければならないのです。
また、通常、2箇所積み、2箇所降ろしといった立ち寄りは、有料オプションサービスに設定されています。
ですから、引越しの見積もりを取る際には、2箇所積み、2箇所降ろしといった立ち寄りの希望があることを引越し業者に伝えて引越しの見積もりの中に組み込んでもらいましょう。