引越し見積もり用語辞典

積み残し・積残し【引越し見積もり用語辞典】

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積み残し・積残しとは。

引越しの見積もりでも出てくる用語です。

積み残し・積残し

【つみのこし】

辞書にはこうあります。

積みきれずに一部分を残すこと。比喩的にも用いる。 「 -の船荷」 「 -の案件」

1 積みきれないで残ったもの。「数個の積み残しが出る」

2 時間内にこなしきれなかった事柄。「積み残し事項」

積み残し・積残しという言葉には、大きく分けて2つの意味があります。

ひとつは読んで字のごとく、積み切れなかった物そのものを指して積み残しとする場合です。

積み残しになる要因は様々です。

例えば、トラックで物を運ぶ際、荷台がいっぱいになって、これ以上物を積むことができなくなった場合、積み込めなかった物を指して積み残しといいます。

積み残しは物理的な要因だけで起こるものではありません。

物流拠点のターミナルなどで、出発時刻が設定されている定期便のトラックは、定刻になると積み込みを中断して出発します。

その際、まだ積み込まれずにターミナルに残っている荷物は積み残しと呼ばれます。

出発時刻が設定されている定期便のトラックは、荷台が荷物でいっぱいになってなくても定刻には出発しなければならないわけですから、時間が要因で起こる積み残しといえます。

また、人を載せて運ぶ場合にも積み残しという言葉が使われます。

乗客が多すぎて列車に乗せきれず、ホームに残さざるを得なかった客のことを、鉄道会社は積み残しと呼びます。

積み残しという言葉のもうひとつの意味は、比喩的に問題などがまだ片付けられていない状態のことを指します。

時間的な要因で片付けられなかった仕事や、先送りにしている課題なども積み残しとされます。

以前からの問題がまだ解決されていない状態のことも積み残しと呼びます。

引越しにおける積み残し・積残しとは

引越しにおける積み残しとは、引越しの荷物をトラックの荷台に積み込む作業を始めた後、様々な理由から積み込み作業を途中で止めた時、その時点で積み込まれていない引越しの荷物のことを指します。

一般的には積み残しという言葉からあまりいい印象を受けないのですが、引越しにおける積み残しはけして悪い意味だけではありません。

引越しの作業中に積み残しが出ることは珍しくないですし、積み残しが出ることが必ずしもユーザーにとってマイナスなことばかりではないのです。

引越し業者は後に運ぶ予定がある場合でも、積み込み作業の途中でトラックが積み地を

離れると、その時点で積み込んでいない引越し荷物のことを積み残しと呼びます。

ただし、積み残しが出ない方がいい引越しなのに積み残しが出るのは最悪の状態です。

引越しで積み残しが出る要因を挙げていきます。

ピストン輸送で引越しをする際の積み残し

ピストン輸送の引越しとは、旧居と新居を1回以上往復して荷物を運ぶ引越しのことです。

引越し業者は見積もりの段階で、ピストン輸送での引越しを提案してきます。

ピストン輸送の引越しでは、まず、旧居である程度の荷物を積み込んで、新居に向かい新居に着いたら引越し荷物をトラックから降ろして搬入します。

新居で荷物の搬入が終わったらもう一度、旧居に戻り、残りの荷物を全て積み込んで新居に運んで搬入します。

引越しのピストン輸送は使用するトラックに引越しの荷物全てを一度では積み切れないときに使う輸送方法です。

旧居である程度の引越し荷物を積み込んで、一度、トラックが旧居を離れるとき、トラックに積んでいない残りの引越し荷物のことを積み残しと呼びます。

もちろん、もう一度、旧居に戻って積み込む予定の積み残しですから、この時の積み残しに悪い印象を持つ必要はありません。

引越し業者的にはピストン輸送の際の積み残しに関しては、主にその量を確かめる際に使う言葉になっています。

ピストン輸送の引越しは見積もりの段階から積み残しが出ることを想定していますから、ピストン輸送の際の積み残しに関して心配する必要はありません。

ピストン輸送する引越しでは一度目の輸送のために引越し荷物の一部を残してトラックが旧居を離れる時点で、旧居に残った荷物を積み残しと呼びます。

ピストン輸送する引越しでは一度目の輸送のために引越し荷物の一部を残してトラックが旧居を離れる時点で、旧居に残った荷物を積み残しと呼びます。

宵積み・夕積みで引越しをする際の積み残し

宵積み・夕積みの引越しとは、引越しの前日に引越し荷物の一部をトラックに積み込んでおいて、翌日に残りの荷物を積み込む引越しのことです。

荷物がとても多い引越しや移動距離が長距離になる引越しは、スケジュール的に宵積み、夕積みが必要になることがあります。

また、マンションなどの集合住宅の一斉入居では、混乱を避けるためにエレベーターを引越し作業に使える時間帯が入居予定者ごとに割り振られている場合があります。

そのエレベーターの使用時間が午前中であった場合、引越し当日の朝からすべての荷物を運び出していたのではエレベーターの使用時間に搬入作業が間に合いません。

引越しの前日から宵積みをかけてある程度の引越し荷物をトラックに積み込んでおかないと、新居へ搬入する時間がエレベーターの使用時間に間に合わないのです。

宵積みがある引越しの場合、引越しの前日に一部の荷物をトラックに積み込んでおくのですが、この時にトラックに積み込まなかった荷物のこともまた積み残しと呼びます。

引越し当日、必ず積み込む予定なのですから、この積み残しにも悪い意味はありません。

引越し前日の夜と引越し当日の朝、ユーザーが使わなければならないものも積み残しの荷物に含まれています。

宵積みがある引越しの時に出てくる積み残しという言葉もまた、引越し業者的には主にその量を確かめる際に使う言葉になっています。

夕積み、宵積みが必用な引越しでは引越し前日の夜と引越し当日の朝ユーザーが使う予定の荷物を残して引越し荷物をトラックに積んでおきますが、この時積み込まれなかった荷物のことも積み残しと呼ぶことがあります。

引越し業者の見積もりミスによる積み残し

訪問見積もりで引越しの見積もりをしてもらった場合、引越しに使うトラックの大きさは引越し業者が判断します。

訪問見積もりに来た引越し業者が引越し荷物の総量を見誤ってしまうと、引越し当日、積み残しが出ることがあります。

引越し業者も仕事が欲しいので、引越し料金の見積もり金額をできるだけ安く提示したいと考えています。

訪問見積もりに来た引越し業者の担当者が引越し料金をユーザーに安く提示する方法は、引越しの日時をトラックの空きが多い日に誘導することと、引越しに使うトラックを小さく見積もることしかありません。

その際、本当は全ての引越し荷物がギリギリ載るか載らないかの大きさのトラックで、積み切りの契約を提案したいところなのですが、他社の見積もりが積み切りでない場合、自社だけが積み切りというわけにはいきません。

積み切りの引越しとは、使用するトラックの大きさを限定して、そのトラックに積み込めるだけの荷物を運ぶという契約を結んだ引越しのことです。

そこで訪問見積もりに来た引越し業者の担当者は勝負をかけてみるのです。

全ての引越し荷物がギリギリ載るか載らないかの大きさのトラックで、全ての荷物を運ぶ契約の見積もりを出すのです。

これで他社の見積もりよりもトラックの大きさがワンランク小さい分、引越し料金の見積もり価格をどの引越し業者よりも安く提示することができます。

後は引越し当日の現場作業員に全てを託すしかありません。

引越し作業員たちの荷物を運びきろうとする努力は、助手席にもダンボールを積むためにドライバー以外の作業員たちは歩いて新居に向かったり、荷台の屋根に引越し荷物の一位部を固定して運んだりと相当なものです。

引越しに使うトラックを小さく見積もると、引越し当日、本当に積み残しが出る可能性もあります。

しかし、その際の積み残しに関してユーザーは何も心配することはありません。

全ての荷物を運ぶ契約ですから引越し業者はピストン輸送してでも、他のトラックのチームに応援を頼んででも全ての引越し荷物を運びます。

全ての荷物を運ぶ契約の引越しで積み残しが出たことで起こるユーザーの不利益は、引越し業者が積み残しを再度、運ぶのに要する時間だけです。

積み切りの契約でない限り、積み残しが出ても引越し業者が全ての荷物に対して責任を持って運びます。

長距離の引越しであった場合、引越し業者が訪問見積もりの段階でギリギリ載るか載らないかのトラックを配車することはありません。

引越しの移動距離が長いとピストン輸送ができませんので、全ての引越し荷物を余裕で積み込めるトラックを用意する必要があるからです。

引越し当日、積み残しが出たとしても全ての引越荷物を運ぶ契約であれば、引越し業者はピストンしてでも応援のトラックを呼んででも全ての引越し荷物を運びます。

積み切り契約の引越しでの積み残し

積み切りの引越しとは、使用するトラックの大きさを限定して、そのトラックに積み込めるだけの荷物を運ぶという契約を結んだ引越しのことです。

積み切りの契約で申し込んだ引越しで積み残しが出た場合、積み残った荷物はユーザーが処理しなければなりません。

積み切り契約の引越しでは積み残しになった荷物は、ユーザー自身が運ぶなり、処分するなりしなければならないのです。

積み切りの引越しは訪問見積もりができないユーザーが、引越し業者から電話で見積もりを出してもらう際に結ばれる契約に多くなります。

電話で見積もりをする際、大型家具・家電の点数から引越しに使用するトラックの適当な大きさは引越し業者で判断できますが、小物を詰めたダンボールがどのくらい出るのかまでは、推し量ることができません。

もしかすると、引越し当日、用意したトラックでは全ての引越し荷物を積み切れない可能性もあります。

そういった場合、2トントラックに載せられるだけ載せますという積み切りの引越し契約になる事が多いのです。

引越し業者が提案する積み切り契約の引越しとは

積み切りの引越し契約は引越し業者から提案されることもあります。

訪問見積もりで引越しの見積もりを取る場合、引越しに使うトラックの大きさは引越し業者が判断します。

引越し業者は訪問見積もりでまだ荷造りしていない状態のユーザーの部屋の中を見て、引越し荷物の総量がどの程度になるか、その荷物を運ぶのに必要なトラックの大きさまで判断しています。

その際に3トントラックにギリギリ載るか載らないかという荷物量の引越し案件であった場合、4トントラックであれば、余裕で積み込むことができるのですが、4トントラックではどうしても引越し料金が高くなってしまいます。

そこで、引越し業者は3トントラックでの積み切り契約をユーザーに提案してみるのです。

本当に3トントラックにギリギリ載るか載らないかの荷物量ですから、引越し当日、積み残しが出ることもあります。

4トントラックの引越し料金と3トントラックの引越し料金では20,000円から40,000円の差があります。

引越し業者が提案する積み切り契約の引越しで積み残しが出た場合、ユーザーに荷物を運ぶ手段はあるか、積み残しとなる荷物はユーザーで運ぶことができる量なのか確認しながらの提案になります。

しかし、積み切り契約にすることによって、4トントラック分の料金から3トントラック分の料金に下がりますから引越し料金は格段に安くなります。

引越し業者が積み切り契約を提案してくる条件としては、引越し先となる新居が近いこと、積み残しが出ても少量であること、積み切れる可能性が十分にあることなどが挙げられます。

引越し当日、積み残しが出るかもしれませんが、その量も知れていますし、運ぶ手段も確保できているのであれば、積み切りの引越しは悪い契約ではありません。

積み切りの契約にすることによって、引越し料金が格段に安くなるのですから。

引越し荷物の積み残しの処理方法

通常のすべての荷物を運ぶ契約の引越しでは、引越し当日、ダンボールなどの小物家財からトラックに積み込みます。

部屋の中に積み上がったダンボールなどの小物家財から運び出すのは、家具、家電を搬出する動線を確保するためです。

ダンボールなどの小物家財が完全に無くなった部屋で家具、家電を梱包してトラックに積み込みます。

これが積み切り契約の引越しでは、ある程度ダンボールなどの小物家財を残した状態で家具、家電を積み込みます。

積み残しとなる荷物がダンボールなどの小物家財となるようにです。

冷蔵庫やタンスなどの大型家具、家電が積み残しとなったのではユーザーには処理できません。

積み切り契約の引越しでは積み残しとなる引越し荷物が、ダンボールなどの小物家財になるように引越し作業を進めていきます。

新居が近い引越しでダンボールが10箱程度積み残ったとしてもユーザーに運ぶ手段があればワンランク小さなトラックの積み切り契約にして引越し料金がやすくなる方がよい場合があります。

積み残しとなったダンボール10箱は自家用車で1往復すれば運びきれる荷物量です。

まとめ

  1. 積み残し・積残しとは積みきれずに一部分を残すことです。比喩的に用いることもあります。

  2. 引越しにおける積み残しとは、引越しの荷物をトラックの荷台に積み込み作業を始めた後、様々な理由から積み込み作業を途中で止めた時、その時点で積み込まれていない荷物のことを指します。

  3. ピストン輸送で引越しをする際、旧居である程度の引越し荷物を積み込んで、一度、トラックが旧居を離れるとき、トラックに積んでいない残りの引越し荷物のことを積み残しと呼びます。

  4. 宵積み・夕積みで引越しをする場合、引越しの前日に一部の荷物をトラックに積み込んでおくのですが、この時にトラックに見み込まなかった荷物のこともまた積み残しと呼びます。

  5. 引越し業者の見積もりミスによる積み残しが出た場合でも積み切りの契約でない限り、引越し業者が全ての引越し荷物に対して責任を持って運びます。

  6. 積み切りの契約で申し込んだ引越しにおいて積み残しが出た場合、積み残しに荷物はユーザーが処理しなければなりません。

  7. 積み切り契約の引越しで出る積み残しは、およその量と運ぶ手段を見積もりの段階で引越し業者とユーザーが確認できています。