引越し見積もりQ&A

企業と引越し業者が結ぶ引越しの法人契約とは|転勤に伴う引越し

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ある程度大きな企業では、社員に転勤をさせることがあります。

たんなる配置換えであったり、栄転、左遷と理由は様々ですが、社員の勤務場所が変わることを転勤と言います。

変わった先の勤務場所が、社員の現在の住まいから通勤できないような遠方であった場合、社員は引越しをしなければなりません。

転勤になった社員に同居する家族があった場合、その家族も引越しすることになります。

あるいは家族を残して単身赴任という選択もあるでしょう。

転勤に伴う引越しの引越し費用は転勤を命じた会社が負担することが多い

家族全員でも単身赴任でも遠方への転勤となれば、新しい勤務場所へ通える程度の距離の住居への引越しが必要になります。

この転勤に伴う引越しの引越し料金は、ほとんどの場合、企業側が負担します。

引越し業者は、この転勤に伴う引越しの管理を含め、転勤する社員の引越しを請け負う契約を企業と結ぶのです。

企業側としては引越し業者と法人契約を結ぶことで、転勤の環境を整えた事によって社員に対して転勤を命じやすくなることと、転勤時に社員の引越しからの負担を減らそうする目的があります。

他にも社宅の建て替え時の引越しなども法人契約が適用されるでしょう。

法人契約の引越しの流れ

引越しの法人契約の内容は様々ですが、移動距離と引越しの荷物の総量によって、あらかじめ引越し料金を決めておくことが大半です。

所属する社員の転勤に伴う引越しの移動距離と荷物の量に対応した料金表を作っておいて、実際に引越しの荷物の総量がどの引越し料金に該当するかを、引越し業者が社員宅に訪問見積もりして契約企業に報告するという流れです。

法人契約の引越しの見積もりの場合、契約によって既に料金は決まっていますので、社員は家に居さえすればよいので、面倒な駆け引きや値引き交渉などは、一切、必要ありません。

訪問見積もりに行った引越し業者が引越し荷物の総量を企業に報告し、移動距離と荷物の総量を契約に照らし合わせて引越し料金が決まります。

引っ越しをする本人が引越し料金がいくらなのか知らない

法人契約の引越しの見積もりでは、転勤になる社員は引越し料金がいくらなのかを知りません。

引越し料金は自動的に引越し業者から契約企業に請求されるのです。

あとは転勤になる社員が引越し業者に渡されたダンボールで荷造りして引越し当日を迎えます。

荷造り付き引越しサービスの利用が認められている企業なら、この荷造りの手間も社員にはかかりません。

しかし、経費節約の意味から最近では荷造り付きの引越しサービスは、認めない企業が増えています。

引越しの法人契約の問題

引越しの法人契約では、企業側は引越し業者に対して全面的な信頼が必要になります。

転勤時の引越しの見積もりが、引越し業者からの報告のみで成り立ってしまうのですから当然です。

引越し業者は転勤の移動距離を偽ることはできませんが、引越し荷物の総量に関してはその限りではないのです。

実際の引越し荷物の総量を知りえるのは、転勤する社員と訪問見積もりで社員宅に行った引越し業者のみです。

引越し料金が適正な価格であるかを誰もチェックしない状態

法人契約を取り交している企業は、引越し荷物の総量について引越し業者からの報告を信じるしかありません。

企業は社員の引越し荷物の総量が多いことを疑ったりすることはないでしょう。

転勤する社員に荷物リストの付き合わせなどをさせることもありません。

人事課の担当者が転勤する社員宅を見に行くことも、引越し当日に立ち会うこともありません。

もともと引越しの法人契約は、人事課の担当者と転勤する社員の手を煩わせないことを目的として結ばれているのです。

当の転勤する社員も自分が負担するわけではないので、引越し料金がいくらかなんて気にしません。

こうして法人契約の引越しは、その内容を誰も管理することなく回数を重ねていくのです。

その先でヤマト運輸の水増し請求のような問題が起きているのです。