引越し見積もり用語辞典

相見積もり・合見積もり【引越し見積もり用語辞典】

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相見積もり・合見積もりの意味とは。

引越しの見積もりで出てくる用語です。

相見積もり

辞書にはこうあります。

  • あいみつもり【合(い)見積(も)り/相見積(も)り】
  • 複数の取引先などに同条件で見積もりを提出させ、比較すること。あいみつ。

    複数の取引先などに同条件で見積もりを提出させ、比較することが相見積もり

ウィキペディアにはこう記してありました。

複数の業者から見積を取る事(見積書を提出してもらうこと)を相見積(あいみつもり)と呼ぶ。

「合見積」とも表記することがある。

口頭では短く「あいみつ」と表現されることがある。

見積もりを一社から提出させるだけでは、比較対象が無く、業者が提出してきた見積がその分野の妥当な価格なのか、それとも(業者があわよくば利益を多めに確保しようと)価格を標準より高めに提示しているのか判断がつきにくい。

複数の業者から提出させることによって、ようやく購入者側は業者の提示したものを相対的に比較検討できるようになる。

この相見積もりで重要な点は、辞書にもあったようにそれぞれの業者が出す見積もりが同条件であることです。

例えば、パンの製造販売会社が生産者とブランドを指定した小麦を1トン購入するために、複数の輸入商社から見積もりを取った場合、それは相見積もりです。

相見積もりに参加したどの輸入業者が出した見積もりも「生産者とブランドを指定した小麦」を「1トン」という部分が同条件だからです。

相見積もりは提出された見積もりを相対的に比較することで商品、サービスの真価を見極めるために行うもので、提供される商品、サービスがまったく同じものであるときに特に有効です。

引越しの相見積もりとは

引越しの見積もりにおいての相見積もりは、他の業種の相見積もりとは少し内容が違います。

引越しの見積もりでは、複数の引越し業者から見積もりを取った場合、ひとりのユーザーの引越し条件のもとという点では「相見積もり」ですが、引越し業者によってサービスの内容やスケジュールが違います。

ですから、相見積もりの結果、利用する引越し業者を判断する基準が「料金」だけではなく、引越し業者が提供するサービスの品質・クオリティ、サービス内容そのものによるところが大きいという部分に特徴があります。

前出のパンの製造販売会社が生産者とブランドを指定して小麦を1トン購入するときに、複数の輸入商社から見積もりを取った場合、「生産者とブランドを指定した小麦=品物」「1トン=数量」という部分を同条件としていますから、比較する部分は価格のみになります。

これに対して引越しの相見積もりの場合、「生産者とブランドを指定した小麦=品物」の部分、引越しで言えば「サービスの内容、品質、スケジュール」が引越し業者によって違うのです。

「サービスの内容、品質」を加味して引越し業者を選ばなかったら、結果的に損をする

引越しサービスの内容、品質は引越し業者によって違う

見積もりの対象が引越しの場合でも複数の引越し業者から見積もりを取ることを相見積もりといいます。

しかし、全ての引越し業者がまったく同じサービスを提供しているわけではないので、ひとつの引越しに対して出された複数の見積もりという相見積もりの形式であっても、純粋な相見積もりとは少し意味合いが違うのです。

複数の引越し業者が出す見積もりの対象が、統一された商品やサービスではないからです。

引越しの見積もりの場合、「相見積もり」というよりも「企画コンペ」に近い形になります。

「発注主であるユーザーの希望を汲み取り、引越しサービスの形を組み立てて見積もりを出す」という形は「課題に対する企画」に近いのです。

引越しの見積もりは提案型

引越しは何度も経験するものではないので、住み替えのため引越しをするのにどのような手順を踏めばよいか解っていないユーザーが多数います。

見積もりの時点では引越し先となる新居と引越し希望日は決まっているが、具体的にどうすればいいかは分かっていない、または、決まっていないユーザーが多いのです。

また、引越し業者にサービスを依頼すればいいということは分かっていても、引越し業者が提供する引越しサービスがどのようなものか、見積もりを出してもらうまで分かっていないユーザーも多くいます。

引越しというサービスの内容がわからないまま、引越し業者に見積もりを依頼していますから、引越し業者は一から引越しを組み立ててユーザーに提案することになります。

ですから、提案する引越しサービスの内容やスケジュールが、各引越し業者によって違うのです。

相見積もりに参加した各引越し業者が引越し方を提案するのが引越しの見積もり

引越しの相見積もりは、引越し業者がユーザーに対して、引越し当日までの事柄やスケジュール、引越し当日のサービスの内容を提案してプレゼンする場になっています。

引越し業者はユーザーに引越し方を提案してその内容にたいして見積り金額を提示します。

その引越し方が引越し業者によって違うのです。

引越し方の提案は引越し業者によって違う

見積もりの結果、同じような引越し料金であったとしても、2日行程の引越しを提案した引越し業者と、1日行程の引越しを提案した引越し業者では、迷わず後者を選択するべきです。

2日行程の引越しでは引越し業者が引越し荷物の一部を引越しの前日にトラックに積み込んでおく夕積み・宵積みが行われます。

夕積み・宵積みでトラックに積み込まれた荷物は翌朝まで取り出すことができませんし、家具を動かしたあとの埃っぽい部屋で寝ることになります。

夕積み・宵積みはユーザーにとってほとんどメリットはありません。

また、他の引越し業者が一日行程の引越しを提案するということは、その引越しは夕積み・宵積みが必要な2日行程である必要はないということです。

また、見積もりの内容が、引越し当日、朝から作業してくれる引越し業者と、昼からの作業を提案した引越し業者が同じような引越し料金であったなら、迷わず前者にサービスを依頼するべきです。

昼からの引越しは作業終了時間が遅くなってしまいがちなので、引越し料金が安く設定されていますから、朝から作業を開始する引越しと同じような引越し料金になることはありません。

箪笥の中身を出して梱包しなければならない引越し業者と、箪笥の中身が入ったまま運ぶ引越し業者が同じような引越し料金であった場合、迷わず後者を選択するべきです。

箪笥の中身を出さなくてよいので荷造りの手間がかなり省けます。

引越しの相見積もりでは、提案されるサービスの内容、品質、スケジュールが引越し業者によって違うわけですから、引越し業者ごとに提案された引越しサービスの中身をよく理解しておく必要があります。

引越し料金のみに執着してしまい、引越しサービスの中身を加味して引越し業者を選ばなかったら、結果的に大きく損をすることもあるのです。