物販でもサービスでも商売なら必ず原価があります。
その原価に利益を乗せたものが販売価格です。
引越しにも原価があり販売価格があります。
販売価格が原価に限りなく近い状態が「引越し料金、引越し代金の最安値、底値」かというと、一概にそうとも言えないのが引越しの料金です。
「即決価格」はその引越し業者が出せる最安値、底値
引越しの見積もりで引越し業者は、見積もりを依頼したユーザーと駆け引きをしていません。
引越し業者は取れるものなら少しでも引越し料金を高く取りたいとも考えていません。
ハッキリ言って繁忙期(2月後半~4月前半)以外、儲かろうと考えている引越し業者はほとんどありません。
その形としては「引越しを安く提供しよう」というよりも、「少しでも多く仕事を確保して会社や社員の給与を維持しなければならない」というのが現状です。
経緯はどうあれ結果的に引越し業者が「少しでも高い引越し料金で引越しを請け負いたい」と考えていないなのは事実です。
それは営業マンレベルでも同じです。
引越し料金を「ボッてやろう」とか「少しでも高く取ってやろう」と考えている営業マンはいません。
引越し業者の営業マンレベルでの本音は会社の利益は度外視してでも引越し料金を安くして一つでも多く引越しを決めたいのです。
営業マンにとって「引越しを決める」ことこそが大事なのであって、その「引越しの料金、引越しで得る利益」はたいして重要ではありません。
つまり、繁忙期を除いて引越し業者は常に仕事を求めているのです。
「一つでも仕事が欲しい」と考えている引越し業者が見積もりのときに出す「今決めてくれたらこの金額で」という即決価格は本当にギリギリの引越し料金なのです。

引越し業者が見積もりのときに出す「今決めてくれたらこの金額で」という即決価格は本当にギリギリの引越し料金
どの引越し業者が出す即決価格もほとんど同じ金額になる
この即決価格、実はどの引越し業者もたいして差がありません。
提供する引越しサービスの原価に非常に近い料金だからです。
引越し業者の規模によって若干の違いはありますが、1件の引越しにかかる経費はたいして変わらないのです。
5社の引越し業者に引越しの見積もりを申し込み、「1件目の引越し業者が見積もりを出して帰り、2件目の引越し業者もほとんど同じ金額だったので、その引越し業者に決めた」という話はよくあります。
では、予定通りに5社から見積もりを取ったら引越し料金はもっと安くなっていたでしょうか?
おそらく引越し料金に大差はありません。
どの引越し業者も飴を切ったように同じような引越し料金を提示してくるでしょう。
引越し業者にとって即決価格は限りなく原価に近い最安値、底値ですから。
時には赤字になってでも引越しを請け負う
普通、商売では原価割れで物を売ったりしません。
利益がないなら商売ではないのです。
ただ、セールの時はどうでしょうか?
在庫一掃処分、クリアランスセールの類は仕入れ値を切った値段で物を販売しています。
まさに商品を見限った状態です。
こうなると売り場のスペースを割くことのほうが不利益だと考え、仕入れ値をきった販売価格でもいいから売ってしまいたいということでしょう。
この状態は引越し業者にもあります。
どうしてもトラックの空きが埋まらない時、原価を割ってもいいから引越しを入れたいという時です。
物販のセールと違うのは、セールの価格だというのが解りにくいことです。

引越しのセール最安値、底値は、最安値、底値であることがわかりにくい
引越しのセール価格はセール価格であることがわかりにくい
引越し業者の営業マンは見積もりを出す時、一定の計算方法で引越し料金を一旦出して、そこから値引きして引越しの料金を提示します。
この手法はどの引越し業者も同じです。
値引きした価格がどの引越し業者から見積もりを取ってもほとんど変わらない事は前にも書きました。
ただ、「今決めてくれたら」という条件をつけて出してくる「即決価格」で引越し料金はもう一段階安くなります。
このもう一段階引越しの料金が安くなる時に、引越しのセール価格が潜んでいます。
しかしながら、明確に引越しのセール価格だと判断することはユーザー側ではできません。
引越し業者の営業マンの言葉を信じるしかないのです。
引越し業者の営業マンの印象、人柄を加味して考えて、どうやらこれが最安値、底値だと判断するしかないのです。
引越しのセール価格にたどり着けるかどうかはユーザーの運でもあります。
引越し料金の最安値、底値は1件目の引越し業者の見積もりで出ることもあります。
そういうユーザーはとてもラッキーです。
お住まいの間取りと移動距離で見る引越し料金の相場、相場の料金表
まとめ
- 引越し業者が訪問見積もりの最後に出す今決めてくれたらという引越し料金「即決価格」はその引越し業者が出せる最安値、底値になっています。
- 同じユーザーの引越しに対して複数の引越し業者から見積もりを出してもらったら、どの引越し業者が出す即決価格もほとんど同じ金額になりますから、その引越しの適正な見積もり価格がわかります。
- 引越し業者は所有するトラックの空きを埋めるため、引越し作業員たちの仕事を確保するために、時には赤字になってでも引越しを請け負うことがあります。
- 引越しというサービスの見積もりはセール価格であることがわかりにくいので複数の引越し業者から見積もりを取って比べてみる必用があります。