引越しの見積もりの実状 | 引越し会社から見た引越しの見積もり

筆者は引越し会社での営業経験があります。

引越し会社の営業マンは闇雲な飛び込み営業や、テレフォンアポイントなどは一切しません。

お客様に引越しの見積もりを依頼されて初めて営業の仕事に出かけるのです。

引越し会社にとっての引越しの見積もりとは

引っ越しの営業マン

引越し会社の営業マンは、見積もりに呼ばれて初めて仕事になる

引越し会社の営業は完全反響営業です。

反響営業とは・・・営業手法の一種で、広告などについて反応・反響を寄せた消費者に対してのみ売り込みをかける方法のこと。見込みの高い顧客のみ絞り込んで営業することができる。

カンタンに言うと、呼ばれて伺うスタイルが引越しの営業です。

飛び込みやテレフォンアポイントで「今から引っ越しませんか?」と営業をかけたところで、箸にも棒にもかからないでしょう。

ですから、引越し会社はインターネット、チラシ、TVCMなどの広告を打って、ひたすら引越しの見積もり申し込みがあるのを待っています。

引越しの見積もりは、引越し会社が営業を掛けれる唯一の場と言えます。

その営業を掛けれる唯一の場に、引越し会社の営業マンは会社のパンフレットを片手に、決死の覚悟で挑んでいるのです。

完全反響営業だから営業マンの成績は決定率と決定件数

引っ越しの見積もりの予定日

引越し会社の営業マンが見積もりに伺うと、成約率は85%を誇る

引越し会社の営業マンは、「見積もりに来てください」と呼ばれていっているわけですから、営業マン個人の成績を引っ越しの売り上げ合計で比べることは出来ません。

なぜなら、営業に行く件数が多ければ売り上げが大きくなるのは当然なのですが、「10件の見積もりに行って、5件の引っ越しを決め、10万円の売り上げを上げた営業マン」と、「5件の見積もりに行って、5件の引っ越しを決め、10万円の売り上げを上げた営業マン」では、圧倒的に後者の営業マンが優秀だからです。

また、営業マンの売り上げは地域性でも違ってきます。

都会なら1日に15件も訪問見積もりにいけますが、田舎のほうになれば引っ越しの数自体が少なくなるのと、移動時間の関係もあって、1日に見積もりが出来るのは5~6件ということもあります。

しかし、全国展開をしている引越し会社は、全国の営業所に点在している営業マンに成績をつけています。

そうです、引越し会社の営業マンの成績は、「決定率」で決まります。

この決定率ですが、全国展開している引越し専業会社の営業マンなら、85%くらいの決定率を誇ります。

この85%の決定率は、全国展開している引越し会社の1位にランキングされている引越し会社に限らず、2位から6位くらいまでの引越し会社も該当します。

相見積もりが当たり前とされ、競合ひしめく引越し業界の中、引越し会社の営業マンはそれほどの決定率を誇っているのです。

実際に全国に展開しているどの引越し会社の営業マンに成績となる「決定率」を聞いても85%以上だと回答します。

「それじゃ、他の引越し会社の仕事がなくなってしまうじゃないか」とか、「どう考えても数字が合わない」と、お思いになるでしょう。

そのカラクリを説明します。

引越しの見積もりの数は、実際に見積もりに行った数

見積もりの時には引越し当日までの話を熱く語ります

見積もりの時には引越し当日までの話を熱く語ります

「引越しの見積もり件数」÷「引越し決定件数」×100で営業マン個人の決定率が計算されます。

ある引越し会社のAという営業マンの一日に密着してみます。

実際の話です。

A営業マンは、引越しの見積もりに行く前日か当日の朝、見積もりに行くお客さんの数を確認します。

その時点では、A営業マンが持っている引越しの見積もりの予定は16件です。

でも、その日、A営業マンが実際に見積もりに入れたのは8件でした。

A営業マンは実際に見積もりに入れた8件のうち、7件決めてきました。

7件のお客様は全て即回答の即決でした。

A営業マンの今日の成績は決定率87.5%です。

さすがA営業マン、すばらしい営業成績です。

ん?

すばらしいんですが、ちょっと待ってください。

決定率87.5%は解かるのですが、朝、会社を出るときにA営業マンが持ち出した16件の引っ越しの見積もり予定物件から計算すれば、50%の決定率になってしまいませんか?

では、A営業マンが見積もりにさえ入れなかった8件はどうなったのでしょうか。

答えは、「もう決めたので、見積もりをキャンセルします」と、見積もりを予定していたお客から引越し会社に電話が入っていたのです。

見積もり自体がキャンセルされてしまうと、A営業マンはお客様のお宅に伺うことも出来ません。

引越し会社は、営業マンが「実際にお宅を訪ねて見積もりをした数」だけを引っ越しの見積もり件数としてカウントしています。

見積もりする前にキャンセルされた見積もり依頼は、初めからなかったことと同じなのです。

引越しの見積もりは早く入った者勝ち

引っ越しの見積もりで置いていく荷造り用のダンボール

引っ越しの見積もりでダンボールを置いて帰ると、ほとんどキャンセルは無い

A営業マンのこの日の話を少し考えてみましょう。

引越し専業の引越し会社で全国展開している引越し会社は数社あります。

その数社に所属しているほとんどの営業マンの引越し物件決定率は80%以上を誇ります。

では、この日、A営業マンに関わった引越しの見積もり物件をユーザー目線で見てみましょう。

A営業マンがこの日関わった引っ越しの見積もり物件は全部で16件。

そのうち、A営業マンが見積もりに伺う前に見積もりをキャンセルしてきた見積もり物件が8件。

この8件のお客様は、A営業マンより先に見積もりに入った引越し会社に決めたのでしょう。

A営業マンがこの日決めてきた見積もり物件は7件。

A営業マンはこの7件のお宅、その場で即回答いただき、即決してもらうことに成功して、荷造り用のダンボールも置いてきましたから、もうキャンセルは無いでしょう。

保留になってしまった見積もり物件が1件。

この保留になったお客、「あと数社に見積もりを依頼しているから」と言ってました。

A営業マンは、「他を断って即回答してくれたらこの金額で受けますよ」と、自社で出せる最安値を提示して食い下がったのですが、どうしても口説き落とせませんでした。

なんとなくそりの合わない客だとA営業マンも感じていましたから、仕方が無いと思いましたし、「こんなお客はこっちからお断りだ」とすねてしまった部分もあります。

「今、決めてくれたら、この割引料金で」と言ってしまったので、もう、割引前の料金でしか受ける気もありません。

A営業マン、今日も一日お疲れ様でした。

出来る限り安くしたのに保留されたのは悔しいですが、明日もがんばりましょう。

引越の見積もりはほとんどが即決

さて、この話から何が見えてきましたか?

そうです。

この話に出てくる「引越しの見積もりを依頼したお客」の16件中15件が見積もりのその場で「即回答」「「即決」しているということです。

実際、そんなもんです。

ほとんどのお客様が即決します。

引っ越しの見積もりを取るからと、身構えているはずのお客も引越し会社の営業マンの手に掛かれば、90%のお客がその場で即回答、引越し業者を即決してしまいます。

引越し会社の営業マンは、他の引越し会社よりも早く見積もりに呼ばれたいと思っています。

もちろん、先に入った他の引越し会社で即決されてしまうかもしれないからです。

では、この即決。

ユーザー側から見て、「得なのか、損なのか」を見てください。↓

  • 引越しの見積りの時、即決ってどうなの?
    kuwasiku

引越しの実情を知ったら引越しの見積もりを取りましょう